忙しい人のための、効率的で効果的な学習法をご案内します。
出題傾向と攻略法」でご説明しました重要な「内容理解型」を重視した本コースの指導方針、そして皆さんの学び方を述べて行きます。
<注>この頁は「二種」をベースに書きますが、「一種」でも要点は同じです。

(1)指導媒体
(2)学習の進め方
(3)学習順序:各章の、&章内での、
(4)『必携』の表現
(5)選択肢などの注意・引っ掛けパターン
(6)試験本場の実態・注意

(1)指導媒体

①「テキスト」、② 「E ラーニング」、③ 「解説動画」の3つの媒体で、皆さんを合格へ導きます。
【① テキスト】
この「第0章」の後、二種の場合第1章~第14章(一種は第1章~第18章)の各章ごとに、『必携』の内容からエッセンスを抽出し、基本事項として体系的にまとめてあります。学習全体の「ベース」にしてください。
一応b5 サイズで作成してありますが、タブレット以上のサイズなら問題なく見ることができます。また、スマホでもスクロールしながら見ることは可能です。
「タイプⓐ」問題に直接関与する箇所には、「ⓐ理解問題」マークを付します。とくに集中して取り組んでください。
【② Eラーニング】
次のように二部構成になっています。
1. 「各章の問題」
〇×問題→ 5 肢選択問題の順に配列
各問ごとに、「答え」、「テキスト参照箇所」を明示し、「ツボを押さえた解説」を添えてあります。
2. 「実戦模擬テスト(一種:100題、二種:70題)」
1.の各章から、〇×問題,5 肢選択問題それぞれを1 (2)の表の通り実戦と同数選び出して作成された本番さながらの問題セットです。
しかも問題は随時入れ替えられますから、毎回「新しい模試」を受けられます。
採点機能もありますので、だいたい7 割以上取れるようになったら受験を申し込む、という使い方もできます。
スマホさえあれば、電車でも布団の中でもどこでもいつでも問題演習ができます。
【③ 解説動画】
「各章のイントロダクション」と、「タイプⓐ問題の解法」を、動画を用いて解説します。ただ講師が画面に向かって笑顔で喋っているだけとかじゃありませんよ(笑)。画面で内容を追いながら、そこに音声解説を重ねて、痒い所にまで手を届けます。
E ラーニングの該当箇所からリンクしていますから、便利に使えるはずです。
なお、この「第0章」自体の解説動画もあります。

(2)学習の進め方

各章ごとの、基本となる進め方は次の通りです。

動画
イントロダクション
テキスト
基本事項
Eラーニング
問題演習
動画
問題解説

ただし、あまりこの順序に捉われ過ぎず、自身の状況に応じて柔軟に対応してください。テキスト内でⓐ理解問題の項目が出てきたら、そこだけは即E ラーニングへ直行するとか。
また、問題演習をしながら、テキストに戻ってみたり、ひとまずテキストを流し読みしてからテキスト概説動画を見たり。あるいはテキストを読んだだけでは問題を解く自信がないので、先に解説動画を見てから自分で解いてみるとか・・・。自身の習熟度に応じて、適宜アレンジしてください。
〈注〉問題解説動画を見ると、何しろ「プロの講師」が解説しますんで、わかったような気分に浸れます(笑)。しかし、ほとんどの場合それは錯覚です。必ず、自分の目と手と頭で解く!これをやらないと、何も身に付きません。プロの講師が保証します。
全14 章が(完璧ではなくとも) 一通り終わったら、E ラーニングの実戦形式模試にチャレンジしてみてください。そこで学習到達度合いを確認し、それを元に、弱点分野の克服など、今後の学習目標を練り直しましょう。

(3)学習順序:各章の、&章内での、

ここがとても重要です。第2章の〈概説〉にも書いているのですが、外務員試験の合格率の低さは、この点に関する対策の甘さに大きな要因があると確信します。
問題タイプⓐ 、ⓑ の分類表に、それぞれに対する大まかな学習指針を書き足したのが次表です。

特性 内容理解(計算) 知識暗記
項目数 ごく少数(笑) 大量!!(汗)
各項目が出る確率 高い! 低い
学習の成果が 表れやすい 表れにくい
学びの深さ 重点的にしっかり! 出来る範囲で。サラッと。
時間 じっくり 浅く流す
効果 その理解が、他の知識分野の記憶の支えになる。 そこで覚えたことは、その章限り。
順序 先にやり、概要を頭に入れ → その後で、タイプⓐ をベースに覚える
時期 早くから初め、何度も反復して身に付ける。 直前期に集中的に。多少付け焼刃でも。
媒体 動画も活用 テキスト←→ E ラーニング

という訳で、
タイプⓐ :理解型→ タイプⓑ :暗記型
という順序で学んでいくのが基本方針となります。
各章内では、それを考慮して配列してありますので、テキストの順に沿って学んで行ってください。
あとは二種範囲の全14 章を学ぶ順序です。これに関しても、原則としては前記の基本方針を踏まえた順序であるべきなのですが・・・『必携』では、そうしたことは全く考慮されていません。そこで、筆者が推奨する「章順序サンプル」を次に提示します。順序決定で考慮した観点は、以下の通りです。
◦ 「タイプⓐ が多い章」→ 「タイプⓐ が少ない章」の順
◦ 「得点効率が良い」→ 「得点効率が悪い」の順
◦ 「前の章で学んだことが」→ 「後の章で役立つ」
◦ 内容に関連性・類似性があるものはなるべく近くに配置
なお、次表では参考として、『必携』、およびテキストのページ数と、「配点1 点」に該当するそれぞれの「ページ数」を「1 点頁」として記入してあります。この数値が小さいほど、得点効率が良いことを意味します。あくまで単純計算に過ぎませんが。

【章順序サンプル】

内容 章NO 章名 配点 合計 必携 テキスト
○× 5肢(ⓐ) 頁数 1点頁 頁数 1点頁
市場会社 1 証券市場の基礎知識 10 10 38 3.80 5 0.50
11 株式会社法概論 10 10 20 87 4.35 24 1.20
13 財務諸表と企業分析 10 10(10) 20 90 4.50 18 0.90
業務 6 株式業務 10 20(20) 30 144 4.80 24 0.80
7 債券業務 10 30(30) 40 90 2.25 36 0.90
8  投資信託・投資法人業務 14 20 △ 34 108 3.18 44 1.29
9 付随業務 10 10 24 2.40 5 0.50
金融知識 14 証券税制 10 10(10) 20 152 7.60 21 1.05
5 取引所定款・諸規則 10 10 68 6.80 1 1.30
12 経済・金融・財政の常識 20 20 102 5.10 24 1.20
規則 4 協会定款・諸規則 10 30 40 122 3.05 18 0.45
10 セールス業務 10 10 42 4.20 5 0.50
3 金融商品の勧誘・販売 6 6 26 4.33 8 1.33
2 金融商品取引法 10 20 30 220 7.33 25 0.83
合計 100 200(70) 300 1313 4.38 270 0.90

1◦ まず、「市場・会社」という、投資の前提条件を知り、
2◦ メインパートの各種「業務」をしっかり押さえ、
3◦ 各種金融商品をある程度知った上で、「金融に関する知識」を追加し、
4◦ 最後にお堅い「法律・ルール・規則」を頭に叩き入れる。
こんな戦略です。
もちろん、「これなら完璧」という訳ではありません。金融の世界では
A を理解するにはB が要り、
B を理解するにはA が要る
ということが多々あり、この場合どんな順序で配置しても「鶏と卵の闘い」(笑) とでもいうべき不便が生じてしまうことは、ご承知おきください。ただ、そんな中にあって、上の順序は、少なくとも筆者にとっては「最良」です。
〈注〉表中の太字の数値に注目してください。
配点の大きい第2章:「金融商品取引法」が“割に合わない”章であることが一目瞭然ですね。律儀に『必携』の章番号順に学習する人の多くは、ここで心折れます。(このあたりの事情は、第2章の〈概要〉にも書いています。)
逆に、配点が「10 点」しかなく軽視されそうな章の中に、第1、9章のように得点効率が良くて狙い目な章もあることも、ぜひ覚えておいてください。巷に溢れる無責任なブログなどでは、「配点の大きい章を中心に勉強しましょう」などと平気で書かれていますが、とんでもない誤りです。

<注>一種に関しても基本的な考え方は同じです。一種固有の部分についての学習順序は、テキストの「一種部分・はじめに」で説明しています。

もちろん、テキストでは、そのような事情も考慮して『必携』の内容を取捨しています。

(4)『必携』の表現

『必携』の「文体」は、多くの場合法律の条文のような堅く、血の通わない言い回しとなっており、そのままで学ぶのは苦痛です。しかし、外務員試験の問題は、『必携』に準拠して作成されますから、その文体に慣れておくべきだともいうのも正論です。
そこで筆者は、次の全く相反する2 つの方針を、内容・状況に応じて使い分けて執筆しました。
1. 『必携』の表現を忠実になぞる
2. 噛み砕き、消化して“手触り”の感じられるよう表現する。
このうち1.を用いる際に登場する、『必携』調の汎用表現、つまり、実際の試験でもよく使われる表
現を、以下に羅列しておきます。頭に入れておきましょう。
 「」=「など」
(例):「所得税」。2.の表現では「所得税など」とします。その方が、「所得税」をいうキーワードだけが漢字で浮かび上がり、印象に残りやすくなりますので。
 「係る」=「関する」
(例):「資産の提供に係る収支状況」。慣れれば問題ないですね。
 「当該」=「その」、「前述の」
(文例):「上場会社等1) の役員や主要株主が、当該上場会社等2) の特定有価証券等について、自己の計算においてその買付けをした。」
2) の「上場会社等」は、前出1) の「上場会社等」を指します。英語の定冠詞「the」に相当します。
【許認可関連の用語】
あと、『必携』には、金融機関の監督官庁である内閣総理大臣が、様々な機関に対して“お墨付き”を付与する記述が随所に現れます。これについては、規制の強い方から順に
免許>認可>登録>届出
の4 つが主なものとしてあることを知っておきましょう。

(5)選択肢などの注意・引っ掛けパターン

外務員試験の「形式」に起因する注意事項を列記しておきます。多くがセコイ話ですが(笑)。
◦ 「記述式」でないので、単語を正確に覚えていなくても大丈夫。重要単語を赤シートで隠す勉強は無意味。
◦ ただし、「数値」は設問で問われるので、正確に覚えるべき。よって赤字で書きました。
◦ 「かつ」と「または」の入替による引っ掛け
◦ 妙に断定的に語った文は「×」が多い。
◦ 長い文は「〇」が多い。
◦ ただし、長い文のほとんどが正しいけど一か所だけ間違い!という引っ掛け
別の用語の説明が、全て正しく書かれている引っ掛け
◦ 文章内容は正しいが「数値」だけ誤りという引っ掛け→ テキストで赤字で書かれた数値は正確に記憶する。
◦ 「免許」、「認可」、「登録」、「届出」の入れ替えという引っ掛け
◦ 各種指標の定義をきく問題で、分母と分子の入れ替えという引っ掛け
◦ 計算問題で、「桁」や「小数点」がずれている引っ掛けも、ときどきある。
◦ 〇×判定問題は、「正しいか・間違いか」で判断する。→ 肯定・否定、つまり英語のyes・no感覚でやると間違える。
◦ 証券会社、外務員の業務規程に関して、「△◇しなくてよい」とあると、たいてい「×」

(6)試験本場の実態・注意

◦ 試験部屋には、筆記具、スマホ、時計等全て持ち込み禁止。身ぐるみ剥がされる(笑)。
◦ ホワイトボード的なプラスチック板1枚(両面使用可能) とペンが渡される。
「書く」ためのツールはこれだけ。
間違いを消して直すティッシュすらない。
◦ 問題文:コンピュータ画面に表示。
→ 当然、問題文の脇にメモなどを書き込むことはできない。
→ ボードにペンで書くしかない。
◦ 解答:コンピュータ上で入力。
◦ 5 肢選択問題→ ボードに問題番号&1,2,3,4,5を書き、そこに「〇」、「×」、「?」などを書き込んで整理する。
◦ 計算問題では、コンピュータ画面上に電卓あり。キーボードor マウスで操作。
→ 普段から、コンピュータ上の電卓に慣れておくべし。
◦ 時間は多め。忙しくはない。
「計算問題」「因果関係」などの考えるタイプ○a → 時間を掛けて正答率を上げる。
○×判定などタイプ○b の暗記問題→ 時間をかけてもあまり変わらない。
◦ 全ての問題ページが終わると、次に全問リストが現れる。
→ 未回答問題や、見直ししたい問題にジャンプできる。
→ 納得いくまで解答したら、時間途中で終了しても可。制限時間が来たら強制終了.
◦ 試験部屋を出てしばし待つと、ショボイ紙切れ1 枚渡され、そこに「70 %以上」とあれば合格。
何点取れたかすら教えてくれないそっけなさ!合格したらその紙を写真に撮り、送信して誰かと喜びを共有しましょう(笑)。