外務員試験の概要

< 外務員試験とは、株式等の販売・勧誘を行う外務員にふさわしい資質を確保するために日本証券業協会(JSDA)が実施している試験です。外務員としての職務を行うには、この試験に合格する必要があります。正式には「外務員資格試験」といいます。

(1)外務員資格試験の種類

現在一般向けに開放されているのは、「一種外務員資格試験」と「二種外務員資格試験」です。原則として、誰でも受験が可能です。
これら2つの違いは、「信用取引デリバティブ(先物取引など)」の取扱いができるかどうか」(一種のみ可能)ということです。
二種外務員資格を保有していなくても、一種外務員資格試験の受験が可能です。
(注)なお、これらの受験の仕方として、「協会員経由」(協会員:証券会社等)と、それ以外の「一般受験」とに分かれますが、取得される外務員資格に違いはありません。

(2)出題内容

証券外務員試験の元になるのは、JSDAが発行している『外務員必携』という書籍です(これ以降、『必携』と呼びます)。『必携』は、外務員としての職務を行うに当たって必要な、法令・諸規則や業務等についての知識を解説しています。
しかし、『必携』は二種の範囲だけでB5サイズで全3巻・14章・総ページ数1400ページに上る大著で、一種部分としてさらに第4巻・約200ページが追加されます。しかも、改行の少ない純文学調の文体で書かれており、とても初学者、学習者向きとは言えません。この本を使って試験対策を行うという選択肢は、まずないと言えるでしょう。


~~JSDAサイトより引用~~
http://www.jsda.or.jp/gaimuin/hikkei.html

また、JSDAでは、外務員が知っておくべき700超の項目を明確化した文書:「シラバス」を公開しています。 『必携』及び外務員資格試験の問題は、このシラバスをもとに作成されます。

~~JSDAサイトより引用~~
http://www.jsda.or.jp/gaimuin/shiken.html

(3)出題項目

〔法令・諸規則〕
2.金融商品取引法及び関係法令◆
3.金融商品の勧誘・販売に関係する法律
4.協会定款・諸規則◆
5.取引所定款・諸規則◆

〔商品業務〕
6.株式業務◆
7.債券業務
8.投資信託及び投資法人に関する業務
9.付随業務
15.デリバティブ取引◆(一種のみ)

〔関連科目〕
1.・証券市場の基礎知識
11. 株式会社法概論
12.経済・金融・財政の常識
13.財務諸表と企業分析
14.証券税制 ◆
10.セールス業務

(注1) 15.デリバティブ取引は、一種のみでの出題となります。
(注2) JSDAのサイトでは、
『二種外務員の職務の範囲外である信用取引及びデリバティブ取引についても、その基礎的知識について「株式業務」、「債券業務」等各関連の科目に含めて出題します。』
と書かれています。実際、二種試験では、それほど深い内容までは問われません。
『必携』の1~3巻に書かれた「信用取引」に関する記述のうち、踏み込んだ内容で一種限定の範囲となる部分は、上記◆を付した章において、二種の問題に追加する形で出題されます。
当社のコンテンツは、もちろんこれらの事情を考慮して編集されています。
(注3) 付した番号は、『必携』における章の順番です。実際の試験では
2.3.4.5.6.7.8.9.11.12.13.14.1.10.(15.一種のみ)
の順でパソコンモニターに映し出されます。

(注4)
最近、株式等の約定から受け渡しまでの日数、単元株式数、消費税といった項目が変更されました。
JSDAのサイトでは、「外務員資格試験の問題は、直近の法令・諸規則に基づいた内容で出題されます。」と謳われていますが、“変わり目の時期”には、そうした項目の出題は避けられるものと思われます。
あまり神経質にならなくてよいでしょう。万が一出た場合には、いちおう「最新の情報」に基づいて解答しましょう。

(4)試験形式

次の2種類が混在して出題されます。
・〇✕方式:1問2点、
・五肢選択方式:1問10点(五肢択二は各5点)
問題数、配点、試験時間、合格ラインは、一種、二種でそれぞれ次のようになっています。

一種外務員資格試験 二種外務員資格試験
問題数 合計100問
(〇✕方式70問、五肢選択方式30問)
合計70問
(〇✕方式50問、五肢選択方式20問)
配点 合計440点満点
(〇✕方式140点、五肢選択方式300点)
合計300点満点
(〇✕方式100点、五肢選択方式200点)
試験時間 2時間40分 2時間
合格ライン 440点満点の7割(308点)以上 300点満点の7割(210点)以上

出典:日本証券業協会ホームページより引用
http://www.jsda.or.jp/gaimuin/shiken.html#shiken4

(5)合格率

証券会社等を通さない「一般受験」の試験結果は、JSDAから次の通りに公表されています。

2018年度

試験種類 一種外務員資格試験 二種外務員資格試験
受験者数 4,782名 3,870名
合格者数 3,160名 2,573名
合格率 66.1% 66.5%

2017年度

試験種類 一種外務員資格試験 二種外務員資格試験
受験者数 5,604名 4,445名
合格者数 3,647名 2,797名
合格率 65.1% 62.9%

出典:日本証券業協会ホームページより引用
http://www.jsda.or.jp/gaimuin/shiken.html#shiken4

一方、JSDAが公表している平成29年度(2017年度)「事業報告書」によると、協会員等の役職員を対象とする試験、つまり前記「協会員経由」の場合は、受験者数 93,538名、合格者数 40,310名となっており、こちらの合格率は40%前後と、かなり下がります。
(注)ここには、前記の「一種・二種外務員資格」以外の「特別会員一種・二種外務員資格」というものも含まれています。

出典:日本証券業協会ホームページより引用
http://www.jsda.or.jp/about/gaiyou/houkokusho/jigyouhoukoku_H29_1.pdf

(6)試験の申込・受験の手順

試験運営は、全て委託先である「プロメトリック(株)」が取り仕切っています。
協会員(証券会社等)を通さない、一般の方が受験する場合は次のようになります。
(詳しくは、プロメトリックのサイトをご覧ください。)

Step 1:試験の申し込み
・プロメトリックのウェブサイトで、IDを取得します。
・オンライン画面から希望の日時・試験会場を選択し、試験予約を行います。
申し込み日の5日後(土日、祝日、年末年始休業を除く)~1ヵ月間に行なわれる試験が予約できます。
もちろん、指定した試験会場に空きがあることが前提です。
また、土日、祝日、年末年始休業は除かれます。

Step 2:試験の実施
・本人確認書類(免許証など)と予約時に印刷した確認書を持参し、試験開始の15分前までに試験会場に入ります。
・試験部屋へは、筆記具(メモ用紙、ペン)、 スマホ、 時計等全て持ち込み禁止。身ぐるみ剥がされます (笑)。代わりに、「マジックペンとプラスチックボード」が渡されます。試験中、「書く」ためのツールはこれだけです。 間違いを消して直すティッシュすらありません。
・不正が行われないよう、モニターで監視されています。
・試験は、全てPC上で行われます。問題がモニター画面に映し出され、解答もマウスで入力します。計算問題では、PC画面上の電卓が使用できます。
・「ペンとボード」は、試験終了後に没収されます。つまり、問題を持ち出すことはできません。

Step 3:試験の結果
一般の方が受験の場合、受験当日試験終了後に「外務員資格試験受験結果通知」が渡され、「70%以上の得点であったことをお知らせします。」とあれば合格です。
不合格だった場合は、30日後にならないと再受験できません。

(注)
試験合格後、日本証券業協会の協会員(証券会社等)を通じて外務員登録を受けると、 晴れて外務員としての営業活動ができるようになります。

→ 問題傾向と攻略法