と言うと、「えっ.全編数式だらけなの?」と引いてしまう人もいらっしゃるかもしれませんが,そうではありませんのでご安心を。実は、上記1.2.で述べた
「単語の意味を明確に」
「体系的に記述する」
という2つの姿勢も、数学的な記述の特徴です。つまり、ここで述べる「数学という言語」とは、物事をシンプルに、明快に、理解しやすく伝える文体のことを指しています。

数学語の優位性を示す例を挙げましょう。とある授業で、先生が、
☆「このクラスには、いつも寝てる人がいるな~。」
と言ったとします。ごく普通のありふれた風景であり(笑)、日常で普通に使われている文ですね。ですが、「数学語」(数学的思考法)を備えた人なら、この文の不完全さを瞬時に察知できます。この「日常語」には、次のように2通りの異なる解釈が可能なのです。
1.いつも寝てる人が、いる。
2.いつも、寝てる人がいる。
違いがわかりますか?もう少し表現を補うと、次のようになります。
1.ずっと寝続けている人が、いる。
2.いつでも、誰かが寝ている。
これなら、意味がわかりますね。

私は「数学語」をマスターしているので、☆の文の不完全さを見抜けます。だから、内容を伝える際には読者に充分配慮して文を書きます。一方、2つの意味の違いなど夢想だにできない執筆者は、☆のまま漫然と発信して読者の誤解を招くことになるでしょう。このように、「数学語」を解する者とそうでない者との「伝える力」の差は、歴然です。
ただし、数学語を解するからといって、純粋な数学的表現のまま発信したのでは、それに慣れていない読者には届かないことも、長年の教育経験を通して重々承知しています。

「数学語」に長けていて「日常言語」の不完全さを見抜く力をもち、同時にそれを噛み砕いて日常言語の体裁で伝えるスキルを持つ。それが「教育のプロ」です。

宣言❸:
『広瀬教育ラボは、実は地球上でもっともシンプルでわかりやすい言語=数学の力を“適切に”用いて、これまで数学を敬遠してきた人にも届く言葉で語りかけます。』