誰かと何かを議論する際,参加者の間で単語の定義が共有されていることは、その議論が有意義なものとなるための絶対条件です。もちろん、教育の場においても同様です。

例を挙げましょう。株式売買の形態の、「計算」=「誰の財布か」と、「名」=「誰の名義か」の2つの観点から見た分類を学ぶ際、「自己」・「他人」という表現が用いられます。しかし、このことを新たに学ぶ人は、これを聞いてもピンと来ません。なぜなら、「自己」・「他人」という言葉が『誰の立場から見たものか』が明言されないからです。多くの学習者は(私もそうでした)、なんとなく自身にとって一番身近な「投資家」の立場で考えてしまいがちですが、実は『証券会社の立場から』見た言い回しであり、
自己=証券会社、他人=顧客・投資家
が正しい解釈です。
これは、「プロ」の金融マンにとっては、説明不要の常識らしいのですが、これから”業界で働こうとする「学習者」にとっては、わかるはずもありません。

さて、立場が「学習者」から「指導者」に変わった今、私はもちろん「自己」・「他人」の意味を理解しています。ですがそれと同時に、これらの用語を無神経に用いれば、読者が混乱に陥ることも承知しています。そこで、執筆に際しては、『誰の立場から見たものか』を明示し、読者との間で「自己」・「他人」という『単語の意味を共有』できるよう、万全の体制を整えています。

自身が意味を理解して単語を使いながら、同時に相手がその意味を共有できているかに対する配慮を怠らない。これが、「教育のプロ」の姿勢です。

 

宣言❶:
『広瀬教育ラボは、単語の定義・意味を皆さんと共有できるよう最善を尽くします。』